藤井聡太七段@将棋応援ブログ

将棋の高校生プロ棋士、藤井聡太七段のことについて書いているブログです。

藤井聡太七段の強さの秘密を将棋のプロ棋士の糸谷八段の新連載から分析してみました!

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写真:AbemaTIMES

 

2018年7月に発売された、将棋世界8月号から藤井聡太七段(16)に関連する新連載が始まっています。この連載は藤井七段本人が書く連載ではなく、トップ棋士や若手のエースが語る藤井将棋論です。

 

第一回目は永瀬拓矢七段(25) の投稿となっていましたが、第二回目は糸谷哲郎八段(30)となりました。先日10月5日に誕生日を迎えた糸谷八段はDJダニーとして将棋界だけではない活躍も目立ち、もちろん竜王獲得経験もあり、順位戦A級に在籍しているトップ棋士の1人です。

 

実際の紙面は糸谷八段の独り語りですが、会話形式でエッセンスをコンパクトにまとめてみました!

 

まずは四段当時の叡王本戦の対深浦康市九段戦からお願いします。

 

この将棋では、深浦康市九段が公式戦では指したことがない戦型になり、藤井聡太四段としては想定外だったはずです。

 

しかし相手の作戦に乗って、堂々と踏み込んで、しかも優位を築くことができるのは対応力があり、自信があるという証拠です。

 

対応力の高さが光りますね!

 

必勝形を築いた藤井四段でしたが、1分将棋で泥仕合になり、深浦康市九段が逆転勝ちをしてしまいます。

 

確かにそうでしたね…

 

終盤に時間があれば深く読んできっちり勝ちきれることは、5時間や6時間の持ち時間がある棋戦での勝率からも明らかです。

 

逆に言うと秒読みに入った終盤では藤井聡太七段の終盤力でも読み切れないことがあるということなので、終盤に時間を残すか、秒読みでは思い切って読む手を減らすなどのテクニックも必要かもしれません。

 

そうなんですね!

 

次はどの対局を取り上げますか?

 

澤田真吾六段との棋王戦予選での対局です。

 

粘り勝った対局になりますが、藤井四段は詰まないのを読み切っていたはずです。そのため、勝負手を放って、対戦相手の澤田六段に読む手を増やしたことで逆転につなげています。

 

また終盤、私はノータイムで始めるとノータイムで進めてしまいますが、ノータイムで指せる場面でも、時間があればしっかりと読みを入れているのが藤井聡太七段の特徴です。

 

終盤力があってもキチンと読みを入れていると!

 

ええ。

 

次はどの対局を取り上げますか?

 

佐藤天彦名人との朝日杯本戦での対局です。

 

この対局ではプロ入り後に上村四段や大橋四段に敗戦している藤井七段が得意とはいえなかった横歩取りの展開になりました。

 

横歩取りで佐藤名人が研究している形になったと思いますが、切り合いの展開ではなく自然に押して勝つという大人の将棋となりました。

 

公式戦で長考しているのが要因だと思いますが、名人の得意の戦型を堂々と受けて、圧勝しているのは圧巻です。研究している可能性もありますが、公式戦や研究会での吸収力が高いと予想されます。

 

最後に総括をお願いします!

 

藤井聡太七段の強さは、やはり終盤のテクニックが高校生とは思えない完成度の高さという点です。

 

奨励会時代も粘って勝った将棋が多かったと思わせる将棋です。一朝一夕で身につかないもので、終盤型の棋士だと思います。

 

 

藤井七段に弱点はありますか?

 

弱点としては、対振り飛車が苦手という点ですね。

 

確かに…

 

これは将棋のプロ棋士の8割くらいが居飛車党で対抗系の経験が物理的に少なくなってしまうからでしょう。横歩取りでも名人相手に圧倒したように、実戦で吸収していくタイプだと思いますので、対抗系の研究を進めるより、実戦での対局で克服していくことができると思います。

 

ありがとうございました!

 

【考察】

終盤型の棋士と 糸谷八段は断言していましたが、相手の得意戦型でも堂々と立ち向かう意思と対局を通じて、弱点を克服してきていることが、より鮮明になったと思います。またトップ棋士の糸谷八段がノータイムで指す場面でも、きちんと読みを入れているという評価は意外でした。

 

【参考】

abematimes.com

https://www.amazon.co.jp/将棋世界-2018年9月号/dp/B07FJKSKS5/

 

※注意事項※

・アイコン画像:糸谷哲郎八段から引用させていただきました。

・段位や年齢などは当時のものとなります。

・要約した内容は原文ママではないため実際に意図した内容と異なる場合があります。